トトヤンの家庭菜園

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連合会長再任

 矢田氏の首相補佐官起用。芳野会長「連合は関与せず」(共同通信

起用になった首相補佐官とはパナソニック労組出身で元国民民主党参院議員の矢田わか子だ。

芳野氏と年齢、境遇が近く、親交の深い女性議員でもあった矢田氏。当時神津会長の後を受けて、迷う芳野氏にこう声をかけたらしい。

「(会長ポストを)絶対引き受けるべきよ。連合のイメージを刷新してほしい」

 男性社会の労働組合の中で、お互いに励まし合ってきた2人。そんな芳野氏が連合のトップに就くことは、矢田議員は夢のように感じると同時に、これ以上ない変革のチャンスに思えたという。


連合の次期会長、再任はされたが「芳野降ろし」の情報に、芳野氏と親交が深い矢田議員は憤りを隠さなかったという。

「連合が共産党と相容れないのは当たり前です。それに自民党と接近していると言うけど、芳野さんは政策を真ん中に置いて、等距離で各党に理解を求めているだけじゃないですか。すべて労働者のためです。女性だから目立っているだけで、男性の会長だったらこんなに批判されたでしょうか」

 芳野氏は矢田氏に「批判には慣れているから」と明るく話しているという。ただおひざ元の「ものづくり産業労働組合(JAM)」からも疑問の声が出るなど、気にならないわけがない。矢田議員は「ここで怯んではあかん」と芳野氏を励ましてきた。

芳野会長が注目を集めたのは、自民党との接近だ。芳野会長は「政策実現のために共産党を除く政党に協力を求めるのは当然だ」と繰り返し、自民党との接触にも逡巡がない。小渕優子組織運動本部長、麻生太郎副総裁との会食が明らかになったのに加えて、今年4月に自民党の「人生100年時代戦略本部」に講演に出向いたことは連合内部で波紋を広げた。冒頭に触れたように、「自民党に利用されるだけで軽率だ」との危機感を覚えた2人の会長代行が出席を思いとどまるよう求めても、芳野氏は「何が悪いの」と意に介さなかった。

就任会見から衆院選での立憲民主党共産党との共闘に不快感を示して注目を集める。確かに連合はこれまでも自由で民主的な労働運動を掲げ、共産党と対立してきた。

 しかし、神津前会長と立憲民主党枝野幸男代表(当時)は議席を一つでも増やそうと、連合が容認できる「閣外からの協力」というギリギリのラインを模索し、野党候補の一本化を進めてきた。立憲民主党や連合内部からは「芳野会長は野党共闘なしで与党に勝てると思っているのか」「選挙戦術に口をはさむのは越権だ」などと批判が噴出した。枝野氏も周辺に「芳野さんの姿勢は自民党を援護したようなものだ」と苦々しく語っていた。

 しかし、芳野会長は選挙後も共産党との共闘に否定的であり続けた。枝野氏の後任の泉健太代表は就任当初、「共闘は白紙」という認識を示したが、芳野会長はこのところ周辺に「結局はっきりしないで、泉さんも期待外れだったわね」と失望感を露わにしている。(デイリー新潮)


新しい感覚を持つ連合会長として芳野氏の再任、連合の組織のあり方や体質を変え、新時代に導くことができるのか。それとも異端の会長として成果もなく混乱を残して弾かれてしまうのか。就任時に言及した「ガラスの天井」を本当の意味で破れるのかどうかは、芳野氏のこの後の手腕と、700万組合員一人一人の意識に掛かっている。