トトヤンの家庭菜園

小旅行、読書、TV番組感想、政治への関心、家庭菜園のブログです。(和歌山県)

衆議院 法務委員会 第8号 昭和52年4月6日

○塩川政府委員 私はその文鮮明氏の演説の内容は知りません。したがいまして、福田総理がその演説のどこに感銘を受けたのかということもはかり知れないのでありますが、要するに、私が総理から聞いそのあいさつと言いましょうか、祝辞となれば、一応文鮮明氏をたたえるというようなことがやはり祝辞としてあいさつの中に出てきておると私は思うております。内容等につきましては、西宮先生のおっしゃるその文鮮明氏の内容については私は存じておりませんので、それくらいのことしかお答えできないのですが……。
○西宮委員 初めから祝辞を述べるつもりで行ったか行かないかというようなことはどうでもよろしいので、その文鮮明氏のお話を聞いて、「文先生、ほんとうにりっぱなお話をうけたまわりありがとうございました」、こう言ってその祝辞を結んでおるので、この文鮮明氏のお話の中でどこに感心したのかということを聞いて返事をしてもらいたい、こういうことです。
○塩川政府委員 これは、その文鮮明氏の演説の内容等も拝見さしていただいて、総理ともよく相談いたしましてお話し申し上げたいと思います。
 ただ、私がそこで思いますのは、その演説は、中は私はつまびらかにしておりませんけれども、文氏が言っております中に、人間愛ということと、それから連帯感を強めていって世の中を明るくするというようなそういう運動が趣旨であったろうと思いまして、そういう点についての感銘を受けたということだろうと私は思うのでございますが、おっしゃるように、一度よく本人に確かめてみたいと思います。
○西宮委員 あなたがどういうふうにお考えになるか、私聞いておらないので、福田さんがどの点を感心したのかということを聞いてお答え願いたい。いまの御答弁は、よく本人とも相談して回答する、こういうことですから、回答すると伺ってよろしいですね。
○塩川政府委員 はい。
○西宮委員 そのことをお願いしておきます。
 文鮮明氏の言われた内容について別に私はあえて批判しようとは思いませんが、ただ、これは私が宗教的な訓練が乏しい、あるいは理解度が低いのかもしれませんけれども、私の見る限りでは、どうも福田蔵相がこんなにまで、本当にりっぱなお話を承りましたと言うほどの、ちょっと私にはわからないのですよ。そこで、むしろその逆にちょっと気になることは、こういうことを言っておるわけです。「共産主義から世界を防衛する、その国はアメリカ以外にはありません。アメリカを立たせるために一番問題のむずかしいことを責任を持って、命を捧げて責任を持つのはだれでしょうか。」それでだれでしょうかというので「あちこちアメリカの人に当たったけれども、だれも一人もいない。」そこで「だから東洋の一角のここに立っている文という男が責任を持つ」、こういうことを言っているわけですね。だから、アメリカを立たせるためにだれか立ち上がる人はないかと思ったけれども、だれも一人もいない、それで私がやるのだ、こういうお話なのであります。そしてさらにそれを続けて、「法的な目から見た場合は、これは旅行ビザで献金活動とか商売とかはできないようになっています。しかしこれは法的にひっかかっても、アメリカのために、アメリカの国民以上に先頭に立ったとするならば神の法はひっかかりません。」つまり、法的にはひっかかっても??具体的に言うと、旅行ビザでアメリカに入った、そして献金活動をやっている、これは日本でやっておるのと同じことです。この団体がやっております献金活動をアメリカで盛んにやっているということはしばしば報道されております。それから商売、これも関連企業がたくさんあって大変な企業活動をやっている。これはいわゆる宗教とは形式的には離れているかもしれませんけれども、とにかく一連の関連企業が大変な企業活動をやっているということ、これもしばしば報道されて、ほとんど日本人の常識だと思います。そういうことを文氏はみずから認めておるわけであります。そして、そういうふうに旅行ビザで入っていって献金活動をやったりあるいは商売をやるというようなことは、本当はアメリカの法に触れるのだけれども、「法的にひっかかっても、アメリカのために、アメリカの国民以上に先頭に立ったとするならば神の法はひっかかりません。」だから、法網はくぐっても一向差し支えない、こういうことを言っているわけですね。
 私は、こういう点について、総理が本当にりっぱなお話を承りましてありがとうございましたと言う、そういう受けとめ方はかなり問題があるのじゃないかというふうに思うわけです。ですから、どの点に非常に感心したのか、それを伺いたいと思います。
 ついでですから、このときの会合には会費を払って行かれたのか、あるいは招待を受けて会費はなしに行かれたのか、これも御返事願いたいと思います。
 実は、官房副長官にいわば総理にかわってお尋ねをしたいと思うことが数あったのであります。つまり福田総理が別な機会にも、勝共大会等に出席をいたしましたり、あるいはまたメッセージを贈ったりしておりますから、そういう問題等についてもお尋ねをしたいと思ったのですが、何か時間をお急ぎのようですからこの程度にとどめておきます。


(中略)

○吉田(六)政府委員 直接のお答えになるかどうかわかりませんが、原理運動に関連して家出して行方がわからないとか、あるいは所在はわかるけれどもなかなか帰ってこないとか、そういう事案につきまして、警察で家出人捜索願とかあるいは困り事相談として持ち込まれているものがございます。警察庁で各都道府県警察を通じまして調査したところについて申し上げますと、五十年中に百九件取り扱っております。また五十一年は五十八件、ことしに入りまして十一件相談を受けております。これらの事案につきまして、警察といたしましては、一般の家出人の場合と同様に保護者などからできるだけ詳しくその間の事情をお聞きし、そして立ち回り見込み先などを管轄する警察に手配を行っているわけでございまして、その所在の発見に努力しているわけでございます。また、所在はわかるけれども帰宅しないという事案につきましては、保護者等に対しまして親子の話し合いが進められるように助言を行うほか、家出人に対しましては保護者等の意向を伝えるようにいたしております。その結果、家出人が帰宅するなどの事例もぽつぽつ出ておりますけれども、大半は家庭に戻らないというのが実情でございます。
○西宮委員 いま御答弁のように、警察官が非常に懇切丁寧に指導している、そういう苦情を聞いて苦情に対応しているというのであれば大変結構なんだけれども、決して実情はそういうものではない、私どもはそういう非常な不安を持っております。時間がありませんから申し上げませんけれども、そういう点について私どもも非常に不安を感じておる。あるいはその警察官なども、たとえば勝共運動とか原理運動とかそういうものに対する十分な理解がなくて、そのために簡単に済ましているというようなのもあろうと思うのですよ。だから、そういう人にはぜひこういう父母たちの切々たる訴えを聞かせてもらって、十分そういう人たちにPRをしてもらいたいということをお願いしたいと思います。総理府の方どうですか。
○小野説明員 先生が御紹介されましたお手紙十分に承りました。青少年の育成を願う立場といたしまして十分に配慮して、今後の施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○村岡政府委員 法務省の人権擁護局といたしましても、この問題は、一方、信教の自由にかかわる問題でございますので、その点に慎重な配慮を要することはもとよりでございますけれども、いやしくも宗教活動の名において人権を侵犯するというようなことがあってはならないわけでございます。人権擁護を担当する私どもといたしましては、そういうことのないように全力を尽くしたいと考えております。
○西宮委員 私が読んだ書物を一つだけ紹介いたしますが、明治政府ができて間もないころだったと思いますが、キリスト教には親孝行という教義、ドクトリンがあるのだろうかということが話題になったそうであります。そうしたらば、そこに集まっておった政府高官の一人が、キリスト教にそういう教義があるかどうかは私はわからない、しかし少なくとも私の知っている限りのキリスト教の信者は実に模範的な親孝行だった、こういう会話が行われたというのが私の読んだ書物にあったといま記憶しておるのでありますが、私は、いやしくも宗教ならばそうあるのが当然だと思うのですよ。親に対して本当に親切に親に仕えるというのが何宗教であろうとも最低限度のモラルではないかと思うのですね。ところが、この統一教会、原理運動に関する限り全く文字どおり親泣かせの宗教なんですね。私は、そういう点で、これは何としてでもこのまま放任できないということを痛切に感ぜざるを得ないわけであります。したがって、きょうはそういう問題の提起に終わりましたし、かつまた私が予定しておりました質問を続けるわけにいきませんでしたので、改めてまた機会をいただきたいと思います。
 これで終わります。
 昨日の予算委員会での原理運動について追求していただきましたこと大変に心強く存じました。私共が和歌山におりました頃隣りに統一教会が入り、(普通の民家)以来、朝早くから夜おそく迄、気狂いそのものの騒音に悩まされつづけておりました。隣りの音は筒抜けに聞こえておりましたので様子がよくわかりましたが、とても宗教などと云えるものではありませんでした。
 此の教会について大変に疑問を感じている事がございます。此のお正月にも人の集まる神社などで「恵まれない子供達のために」「交通遺児のために」と書いた箱を持ち、募金している姿を度々見かけましたが、箱に書いてある事は、皆デタラメで、それらのお金は全部韓国の本部へ行く筈ですが何故日本では堂々とデタラメ募金が行なわれているのでしょうか。
 以前に、ある一流新聞社が読者の投書で募金の調査を始めたところ、ある右翼の大物より圧力がかかり調査をあきらめなければならなかった由。民主国であるべき日本で、政財界の大物がバックと云うだけで善意の人達をあざむくデタラメ募金が公然と行なわれていることに大変にフンガイしております。
 此のデタラメ募金について今後の調査、国会でのきびしい追求を是非お願いいたしたいと存じます。
 統一教会追放のためでしたら喜こんで協力いたします。今後の御活躍お祈り申し上げております。
 この人は本人自身が子供をとられたというようなことは言っておりませんですね。ただ隣りに住んでおって、その実態をよく知っているということだけのようでありますが、ただ、これはついこの間来たばかりの手紙でありますが、これによりますると、ことしのお正月にも人の集まるところではこういう募金運動をやっている、こういうことですから、依然としてそれはいまなお続いているということは確かだと思います。

(中略)

○上村委員長 次に、日野市朗君。
○日野委員 私も同じように原理運動について伺ってまいります。
 その前提として、私もいま横山委員の質問を伺っておりまして、この原理運動に関するいろいろな違法行為、これに対する行政庁の対応というのは非常に甘いという考え方を実は持っております。その点では、基調となる考え方は横山委員と全く同様であります。私たちの目から見まして、これは明らかに違法と思われる事柄、それに対して一体行政庁は何をやったろう。特に人権擁護の仕事に当たっておられる人権擁護局や、それから警察庁、これは何をやっていたのだろうというような感じが非常に強いのであります。
 それで、私はこれから主としていままで公開されたもの、つまり新聞紙上に紹介されたものや、いろいろな文献、これも公刊されている文献に登載されていること、これを中心にして幾つかの問題点を拾い出していってみたいと思います。そしてそれに対して、警察庁や人権擁護局が一体どのように対処してこられたのか、これについて伺ってまいりたいと思います。
 まず、いま横山委員からも指摘があったところでございますけれども、原理運動、その運動に伴う不法行為というものが私には非常に目につくわけであります。私自身もいまここで原理運動の教理、統一教会の教義といったようなものに立ち入るつもりは毛頭ございません。ただし、これは一応人権擁護局及び警察庁両方に確認をしておきたいと思いますが、いかに宗教活動を標榜しようとも、その活動自体が法律に触れるというような場合、これは警察庁としても対処していく、それからそれが人権を侵害をしていくというようなそういう現象があらわれてくれば、それは人権擁護局としても対処していく、この基本的な姿勢についてはお変わりはありませんね。
○村岡政府委員 仰せのとおりでございまして、宗教活動に名をかりて人権じゅうりんが行われるということでありますれば、人権擁護を担当する私どもとしては職務の範囲内で対処しなければいかぬと考えております。ただ、事は宗教の自由に関するものでございますので、いやしくも宗教の自由を害することのないように、その点には慎重な留意を必要とすると思いますが、人権侵犯の事実に対しては適正に対処したいと考えております。
○吉田(六)政府委員 宗教活動と申しましても、それが法令に触れる行為がございますならば、それは当然捜査対象となるものでございます。
○日野委員 いま横山委員の質問の中にも出てまいりましたけれども、どうも統一教会の活動の資金源というものは、かなり多くの部分、物資の販売活動や募金によって得ているものであろうというふうに一応考えられるところであります。
 そこで、この募金でありますが、これについて、従来警察庁の方では無届けの募金、これについて、横山委員のときにも若干お答えになったのだろうと思いますが、捜査を行ったことはないのでしょうか。
○吉田(六)政府委員 原理運動に伴う募金関係の違反として特に集計をしたことはございません。
○日野委員 これは個人的な体験を伺うわけですが、東京の駅、いろいろな駅前とか人の集まるところを歩いておられて、いま問題となっているような募金とか花売り、そういったものを何か経験なさったことはございませんか。個人的な体験で結構です。
○吉田(六)政府委員 ございます。
○日野委員 これは東京新聞、昭和五十一年の二月一日の朝刊でございますけれども、ここで「童心につけ込む 原理運動“寄付集め”」と題する記事がございます。この記事については後でも問題といたしますが、街頭募金に関する記事がこの中にございます。「無届けで街頭募金も」という記事ですね。ここにはこういう内容が載っております。「無届けで街頭募金も」「一方、昨年十二月、都内主要各駅周辺で、街頭募金が目立ち、都総務局行政部指導課に毎週、平均三回ぐらい「うるさくつきまとう」「許可を受けないで募金をしている」などの苦情が相次いだ。募金者は、「金銭物品等の寄付募集に関する条例」により、知事の許可を受け、募金中はその許可証またはその写しを携帯し、募金が終わったあとは「募金収支報告書」を提出しなければならない。統一協会関係とみられるものにはこれまで「北方領土返還……」「沖繩救ライ……」「キューバ難民救済……」などをうたった実体不明の団体名で街頭募金が行われており、これらはいずれも都に許可申請が出されていない。このため、都も十二月二十八日午後、職員六人を動員、都内を巡回、七件の無許可募金を見つけたという。募金はすぐ中止されたが、なかには都の職員に対して「統一原理」を説くものもあった。」云々と、こうなっておるわけですが、このような記事は、私はいま、東京新聞の当該の記述のやつを挙げたのでありますが、警察庁の方でも、このような新聞記事を目にしておられないことはないはずでありますし、このような訴えに接しなかったこともないと思うのですが、それはいかがでしょうか。
○吉田(六)政府委員 その問題につきまして、具体的に警視庁から報告を受けておりませんので、後で聞いてみたいと思います。
○日野委員 どうでしょう、個人的にもそういう経験をお持ちだ、こういうことでございますから、これは問題だ、かなり通行人にも迷惑もかけているというようなことで、これは早急に何とかしなければならないとお思いになったことございませんですか。これがもし左翼関係だったら、それこそ抜く手も見せずにぱっと機動隊なり駐在さんが駆けつけて、こういったものに対しては対処するわけですが、いかがでしょう。

○吉田(六)政府委員 原理運動に関係したものであるかどうかということが明らかではございませんけれども、公衆に迷惑を及ぼすなどの募金行為を現認したような場合には、必要によって警告をいたしております。また募金条例違反としてこれまで余り検挙してはおりませんけれども、迷惑防止条例違反として検挙したものとしましては、全国的に若干ございます。

○日野委員 いま私はこれは無届けであるかどうかという手続面から伺ったのでありますが、今度は、募金の実態が恐らく刑事犯罪を構成すると思われる記事を紹介したいと思います。
 それは読売新聞ですが、読売の昭和四十六年二月十三日に載っております。これによりますと、「でたらめ街頭募金追及。“本家”が厳重抗議、「北方領土」のでっち上げ団体、金の使い方も不明」として載った記事がございます。この記事によりますと、北方領土復帰推進連盟という団体、これが北方領土返還の資金集めである、こういうことで各地で募金運動を行った。北方領土復帰推進連盟というのは国際勝共連合を母体とする団体、そしてこの北方領土返還運動をやっているのは、全国組織として北方領土問題連絡協議会、これは松本俊一さんが議長をして五十一団体が加盟しているわけでありますが、この団体とこの北方領土復帰推進連盟というのは全く関係がない。それでこの北方領土問題連絡協議会が北方領土復帰推進連盟に厳重な抗議をしたということがこの記事の内容であります。そして松本俊一さんが議長をしている北方領土問題連絡協議会が北方領土復帰推進連盟、これは勝共連合の方ですが、これに対して厳重な抗議をして、募金で集まった金の使途を明らかにせよと迫ったけれども、これに対しても何らかの明確な答えもしなかったという記事の内容であります。これを見ますと、北方領土の返還を推進するということを標榜して募金集めを行った。これなんかは明らかに詐欺だと思いますが、いかがでしょう。
○吉田(六)政府委員 お尋ねの件につきましては、具体的な事実を明確に把握しておりませんので、直ちにその行為が詐欺罪に当たるかどうかということにつきましては答弁いたしかねますけれども、ただ一般論として申し上げるならば、たとえば交通遺児救済資金を集めるというようなことで募金しながら、実際は自分の生活資金に充てておったということになれば、それは許欺罪を構成するものというように考えます。
○日野委員 いま北方領土の問題についてだけ私は一例を取り上げたわけですが、これは新聞に公表されているわけですね。かなり大きくこれは新聞に報道されたということであります。そしてこの種の募金活動ということになりますと、その被害者はかなり広範に及ぶことが推測されるわけです。そうすれば、こういう事件については一応の捜査をしてみるというのが警察あたりのしかるべき処置ではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○吉田(六)政府委員 御指摘のように、犯罪情報があれば捜査するのは警察の責任でございます。ただ募金に応じた方の特定とか捜査上はいろいろな問題があるということは当然のことでございますが、捜査の責任はあるということになろうかと思います。
○日野委員 問題は、募金に応じた人たち、これを探すのがなかなか大変だという問題があることは私もよく承知しているわけでありますが、このような被害が拡大し始めると、これは非常にゆゆしき問題であろうと私は思うのです。そしていろいろな刊行物によりますと、また、統一教会に一時入信してこのような募金活動に当たった人たちなんかの体験録のようなものは、かなり枚挙にいとまがないほど刊行されているわけであります。恐らく警察庁もこの種の刊行物に目を通していないということは考えられないところなのでありますから、統一教会または勝共連合が何かの名目を掲げて募金活動をする、その場合に、それが届け出がなされているものか、またはいないものか、そして堅実にその目的に沿うた金の使い方がなされているのかどうか、こういったものなんかについては、今後とも厳重な監視を続けていくということが必要なことであろうというふうに私は思うのであります。これから警察庁でそれを厳重に行っていくということをお約束いただけますか。
○吉田(六)政府委員 十分検討してまいりたいと思います。
○日野委員 また、さっき横山委員とあなたの間でやりとりをしたようなやりとりになるのですが、十分に検討していきたい、それはどういう意味ですか。もっと詳しく、言葉の一つ一つの意味を解析しながら御説明いただけませんか。やるのかやらないのかということです。
○吉田(六)政府委員 御趣旨を十分体してやってまいりたいと思います。

(中略)
○日野委員 私は、こういった銃の輸入による利益、募金による利益、それから物品販売の利益、これらが一体どこに消えてしまうのかということについて非常に強い疑問を持っているわけなのであります。
 もう時間も時間ですし、委員の方も余りいませんから、私も大体ここいらで締めさせていただくつもりですが、神戸地裁の判決がここにございます。被告人石井光治外二名に対する、神戸地裁で昭和五十二年一月二十一日宣告された判決であります。これは無罪判決であります。しかし、その無罪判決の冒頭の部分に、この統一協会、それから勝共連合、その下部組織とも言われる企業集団、それからその企業集団と韓国側のいろんな団体がどのように結びついているかということを、この事件で問題になった証拠に基づいて神戸地裁の担当裁判官が認定した部分がございます。それで、その若干の部分をひとつ読み上げて参考に供したいというふうに思うのであります。
 被告人石井は、前期各公訴事実に摘示中の最初の犯行年月日である昭和四六年八月二八日より以前から現在に至るまで宗教法人世界基督教統一神霊協会(以下、「統一協会」と略称する。)の信者で同法人の渉外部長の地位にあって財務全般の総括責任者でもあるとともに、政治団体国際勝共連合の会員で、勝共連合では表面上特定の役職についてはいないが、実際の活動面で渉外及び財務関係の責任者として活動し、また、統一協会及び勝共連合の活動資金の収集集団であるいわゆる熱狂グループの収集資金の管理、出納の統括責任者でもあり、更に、昭和四五年五月から昭和四六年一一月一〇日までと昭和四九年五月一五日以降現在まで統一産業株式会社(以下、「統一産業」と略称する。)の代表取締役の地位にあり、右代表取締役就任中断の間の昭和四六年一一月一一日から昭和四七年一二月までの間においても統一産業の取締役会長の地位にあった
こうなっているのですね。そして、
 統一協会勝共連合は、団体としては別個のものではあるが、思想的には相連結するところがあって、統一協会の代表役員(会長)である久保木修巳が、同時に勝共連合の会長(政治資金規正法による届出上の代表者は梶栗玄太郎になっているが、実際上、同人は事務総長の職にとどまる。)の地位に就き、前記のように被告人石井が統一協会勝共連合の渉外、財務の職責を兼ねて担当し、他の被告人等も両組織に属しているほか、両者間に会員、賛同者の共通する者が多く、以上の点で、統一協会勝共連合は組織上も関連するところがある……次に、前記熱狂グループは、統一協会の信者、賛同者や勝共連合の会員、賛同者等において一〇年以上もの以前から統一協会勝共連合の伝道、活動資金の収集を目的に全国各地で花売り、人参茶の販売、資金カンパ等の活動をしてきた者等の集団であって、全国各地の熱狂グループの収集した右資金は、すべて被告人石井のもとに集められ、被告人石井の管理のもとで勝共連合の活動資金や統一協会関係の活動資金に使用されてきたこと、そこで、少くとも右のような熱狂グループの資金収集活動及びその収集資金の活用を見る限りにおいては、統一協会勝共連合の間に資金面の関連も否定できない……統一産業、幸世商事、幸世自動車及び幸世不動産は、もとより法的には統一協会と別個の法人ではあるがいずれも統一協会の信者等で組織され、経営されている会社であって、統一協会から出資や事業資金の貸付を受け、他方統一協会の信者たる右各会社の役員や、従業員等はその報酬、給料の殆んどを統一協会献金しており、また、右熱狂グループとの関係では、その収集資金の一部が右各会社の事業費に流用されている事実もあり、就中、幸世商事は前記の熱狂グループの販売する人参茶の韓国からの輸入にも当っているのであって、少くとも以上の限りでは、右各会社と統一協会との間にも人的及び金銭的な関連のあることが認められる。
こういうふうに書いてあります。そしてそのほか韓国のいろんな団体と統一協会の関係がずっと書いてあるわけでありますが、結論的にはこう書いてあります。
 以上の日韓諸団体間に、おおむね前記の教義や思想面については韓国側が指導的立場に、その宗教的、政治的及び事業上の活動の資金面では日本側が支援的立場に立つような相互関係が維持されてきたものとうかがわれる。
こういうふうになっているわけですね。つまり、統一協会及び勝共連合が、募金、物品販売、そのほかいろんな会社を通しての利益、これを韓国側の文鮮明を頂点とするそれらの組織に貢いでいる、こういうことになるわけですね。これが国際的にも文鮮明の活動を支えている資金源になっているわけであります。そして、これらの活動の資金源というのは、日本の青年たちがかなり無理をして、自分たちの人権の侵害??と私はあえて申し上げたいのですが、そういった苦しみに耐えながら、場合によっては犯罪に相当するような行為を行いながらかせぎ出しているというのがこの組織上の実態であり、資金上の実態であるというふうに私は思うのであります。これをわれわれはいまここで看過していていいのかということがわれわれの主要なテーマであります。
 きょうは時間も遅いですからこの程度にしておきますが、これからもっともっといろいろまた御質問申し上げることもございます。きょうはこの程度にいたしておきます。