大西元会長は学術会議の人選が内部においてどのように行われているか、その選考過程について詳しく説明した。法律に基づき、まず学術面における功績・評価が第一であること、その上で男女比バランス(女性の比率がもともと低いため)、地域格差(東京に集中する傾向があったため)などを加味して、民主的な手続きで行われていることを説明した。
まあ、それが精いっぱいの抵抗の弁明という感じだった。
岡田正則早大大学院法学研究科教授は任命拒否にあった当事者でもあるらしいが、政権批判は自由だろうけれど、科学技術と国防に関してのナイーブすぎるお考えを発言から承る限り、限りなく、違和感を感じてしまった。
新冷戦ともいわれてきている、サイバーテロとか、軍事の新局面とかにも、なんら、反応することなく、国防という語彙を聞いただけで、科学は兵器産業とは相いれないみたいな言動。
撃ち込まれてはならない迎撃システムさえも俄然必要なのに、まるで、前時代の化石、法制学者という感じで、反論にもなっていない学術会議在り方論批判には参った。
在り方論の本筋は、やはり、菅政権もそこのところなのだろう。
ナイーブな学術会議の偏向。
片や、平和友好を謳いながら、学問の自由、留学生の受け入れ、国際的協調主義と科学技術の進化。
それでいて、自国の技術がどんどんと中国へ流出していっているのが現状ではないかという疑念。
それでいて、北大へのバッツシングなんかは、自国防衛、技術をどう見ているのだろう。
司会者からの問いには誰も答えていなかった。
猪口邦子自民党参議院議員からは、元学術会議会員だったこともあって、至極具体的な、指摘が。
それは、大西元会長が選考過程を縷々説明するも、学術会議が学者の国会といわれようが、選挙で選ばれていたのは過去のこと、運営も不透明感は否めないという肌身の見解。
もっと在り方論突っ込んで語れば、今回コロナ禍に際しては、独自の学術会議としての役割があったんではないのという苦言などは、説得力を持っていた。
会員の男女比とか、地域格差とか、選挙ない以上の、民主的手続き、どうこうよりは、そんな弁明に会長が終始している以上に、より、国民の身近な、困窮している現状課題に光を
指し示すような提言、政府への学術会議としての具体的な答申自体を充実したものにすべきだったのではと指摘。
北朝鮮からのミサイル攻勢。台風水害・地震津波災害・防災技術。感染防止技術。等々と、課題は増しているのに、それに応えるような提言の少なさこそ、強調しなければという怒りにも似たような苦言。
人事の件で、その内実へは
国会質疑で、
それほど、待つまでもなく質されていくわけで、議論されていけばいい。
そもそも人事の話は、落とされた場合の理由は該当者のために公開で聞くべきではない。普通はね。
何か公表すべきではない理由がある可能性があるからだろうが。
ことは、当事者の会長の責務と首相の責任を等分に。そこはお互いに大方のところは、理解しているんじゃないのという感慨をもった。
政府に内々で質問することもせずにいきなり「学問の自由が」とか言って、メディアの前に出てきて批判を始めたこと自体がうさんくさい感じも。
政権側から、在り方論。
それまでも水面下で、政府から大概、学術会議の体質について問いただされていたんじゃないの。それに大枠、納得できる理由もあったりして、改善策もほのめかしてたんじゃないの。知らんけどね。
未来志向でといったボールをなげられただけで、腰が引けたような、どういう弱味が。
どうしたって、そう見えてしまって仕方がない。
別に民営化をちらつかされて、脅されたわけでもあるまいし。
そんなに特別公務員という旨味があるわけでもあるまいし。
プライドだけは、お高いんだなと世間に想われるだけの振る舞いだけが、変に目につく。
もっと、世論に火をつける方法も、考えた方が。
マスコミと、赤旗記事が同歩調というのも頂けない。
ネット上では学術会議の左傾的体質を批判する(ジャーナリスト)門田隆将を政権の犬みたいに批判するむきもみられているけれど。
自分の場合は大方は門田の主張に同感している。