沖縄戦、米軍統治、基地問題と厳しい歴史をたどってきた沖縄で民衆の心を支えてきたのが「笑い」だ。沖縄の笑いには、権力者への風刺と沖縄への愛情があふれている。本職は医師でありながら「沖縄のチャップリン」と呼ばれた小那覇ブーテン、「ワタブーショー」で大人気を博した照屋林助、沖縄文化を堂々と打ち出した「笑築過激団」、米軍基地を笑い飛ばす「お笑い米軍基地」など、沖縄の笑いの歴史を集大成したドキュメンタリー。笑う沖縄 百年の物語
沖縄の基地をとりまく日常の矛盾をコントにした舞台は、2005年6月の初演以来アンコール上演が続き、今ではおじぃおばぁから子どもまで1400人を超える観客を集める。この舞台を手がけているのは、県内外で活動するお笑い芸人・小波津正光さん(33)。創作の原点は、昨年まで過ごした 東京での体験だった。3年前米軍ヘリが大学敷地内に墜落した事件では、周囲の人々がほとんど関心を示さないことに憤った。お笑いで「沖縄の現実」を発信できないか。小波津さんは1年をかけて脚本を書き上げ、舞台を誕生させた。「説教しても誰も耳を貸さないでしょう。お笑いを通して、沖縄の今を感じるきっかけになれば」と語る小波津さん。その思いは多くのうちなーんちゅ(沖縄人)の気持ちを代弁している。
〝基地〟と〝お笑い〟を大胆に結びつけた地元で大人気の舞台を通して、沖縄の複雑な現実を知る。
これぞ、沖縄のレジリアンス!