トトヤンの家庭菜園

小旅行、読書、TV番組感想、政治への関心、家庭菜園のブログです。(和歌山県)

悲観的なのは、変わりないなか

最近パレスチナ事態に対する日本の対応を注意して見ている。米国が旗を上げればこれに続けと言わんばかりに歩調を合わせていたウクライナ戦争の時とは全く違うからだ。8日、ハマスイスラエルを攻撃すると岸田文雄首相は(旧ツイッター)に民間人を犠牲にしたハマスの攻撃を「強く非難する」と書いた。だがその後にこう言葉を続けた。「全ての当事者に最大限の自制を求める」。主要7カ国(G7)の議長国である日本だが、米国・英国などが9日に発表したイスラエル支持共同声明にも名前を入れない選択を取った。その後、上川陽子外相がイスラエルパレスチナ自治政府の他にヨルダン・アラブ首長国連邦連邦(UAE)・エジプト・カタールサウジアラビア・イランの外交当局者と相次いで電話会談を行った。岸田首相も18日、サウジアラビアムハンマド・ビン・サルマン皇太子、ヨルダンのアブドラ2世国王、カタールのタミム首長、UAEのムハンマド大統領と相次いで電話会談を行い状況を議論した。中東地域に日本政府特使を派遣して、米国に先立ってカザ地区に1000万ドル(約15億円)の緊急人道支援をすると明らかにした。「イスラエルパレスチナ双方への働きかけを強化し、事態の早期沈静化に向け尽力す」という「仲裁者」としての役割を自ら付与して忙しく動いている。「バランス外交」と表現したこのような態度の背後には国益がある。日本は昨年基準で原油の94%を中東地域から輸入している。この地域の安定は日本の資源安保に直結しており、したがって「日本の外交政策が米国との同盟を基軸としながらも、中東絡みでは独自色を出す」(日本経済新聞)背景だ。このため日本は長年にわたり中東各国とのきめ細かい関係構築のために注力してきた。すでに1977年に東京に大使館の役割を果たすパレスチナ代表部(当時の名前はPLO東京事務所)が開かれ、1998年カザ地区に日本出張駐在官事務所を作って2007年これをラマッラーに移転した。中国の存在感が大きくなる中東で日本のこのような仲裁努力がどれほどの力を発揮できるかという悲観論もある。ですが、激変する国際情勢の中で国益を中心に置き、主要アクターとして役割を探す姿から日本外交の老練さを目の当たりにする。事態の序盤「ハマスの攻撃は国際人道法を明らかに違反した強力なテロ行為」という立場を出した後、口を閉じている韓国とは対照。双方に関わり発信している。それを報道するところはまれなのか、国内記事にはないネット上の海外記事から、目に止まったところを記してみた。