トトヤンの家庭菜園

小旅行、読書、TV番組感想、政治への関心、家庭菜園のブログです。(和歌山県)

テキストに挟んでいた賢治の詩

テキストの数冊。(野菜作り&観葉植物の育て方)

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なにげなく、開いて、挟んでいるのを見つけては、思い出す心象風景

、地元和歌山市(マリーナから)の夏の終わりの夕暮れ。今回の記事は

完成に至らなかったと見られる宮澤賢治の詩を味わってみるのみ

となります。

 

生徒諸君に寄せる

〔断章一〕


この四ヶ年が

    わたくしにどんなに楽しかったか

わたくしは毎日を

    鳥のやうに教室でうたってくらした

誓って云ふが

    わたくしはこの仕事で

    疲れをおぼえたことはない
〔断章二〕


  (彼等はみんなわれらを去った。

   彼等にはよい遺伝と育ち

   あらゆる設備と休養と

   茲には汗と吹雪のひまの

   歪んだ時間と粗野な手引があるだけだ

   彼等は百の速力をもち

   われらは十の力を有たぬ

   何がわれらをこの暗みから救ふのか

   あらゆる労れと悩みを燃やせ

   すべてのねがひの形を変へよ)
〔断章三〕


新らしい風のやうに爽やかな星雲のやうに

透明に愉快な明日は来る

諸君よ紺いろした北上山地のある稜は

速かにその形を変じよう

野原の草は俄かに丈を倍加しよう

あらたな樹木や花の群落が
〔断章四〕


 諸君よ 紺いろの地平線が膨らみ高まるときに

 諸君はその中に没することを欲するか

 じつに諸君はその地平線に於る

 あらゆる形の山岳でなければならぬ
〔断章五〕


サキノハカ、、、

             来る

それは一つの送られた光線であり

決せられた南の風である、

諸君はこの時代に強ひられ率ゐられて

奴隷のやうに忍従することを欲するか

むしろ諸君よ 更にあらたな正しい時代をつくれ

宙宇は絶えずわれらに依って変化する

潮汐や風、

あらゆる自然の力を用ゐ尽すことから一足進んで

諸君は新たな自然を形成するのに努めねばならぬ

〔断章六〕


新らしい時代のコペルニクス

余りに重苦しい重力の法則から

この銀河系統を解き放て

 

 

新らしい時代のダーウィン

更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って

銀河系空間の外にも至って

更にも透明に深く正しい地史と

増訂された生物学をわれらに示せ

 

 

衝動のやうにさへ行はれる

すべての農業労働を

冷く透明な解析によって

その藍いろの影といっしょに

舞踊の範囲に高めよ

 

 

素質ある諸君はたゞにこれらを刻み出すべきである

おほよそ統計に従はば

諸君のなかには少くとも百人の天才がなければならぬ

〔断章七〕


新たな詩人よ

嵐から雲から光から

新たな透明なエネルギーを得て

人と地球にとるべき形を暗示せよ

 

 

新たな時代のマルクス

これらの盲目な衝動から動く世界を

素晴しく美しい構成に変へよ

 

 

諸君はこの颯爽たる

諸君の未来圏から吹いて来る

透明な清潔な風を感じないのか
〔断章八〕


今日の歴史や地史の資料からのみ論ずるならば

われらの祖先乃至はわれらに至るまで

すべての信仰や徳性はたゞ誤解から生じたとさへ見え

しかも科学はいまだに暗く

われらに自殺と自棄のみをしか保証せぬ、

 

 

誰が誰よりどうだとか

誰の仕事がどうしたとか

そんなことを云ってゐるひまがあるのか

さあわれわれは一つになって〔以下空白〕

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「盲目な衝動から動く世界を

素晴しく美しい構成に変へよ」

という箇所。それと、

「すべての農業労働を

冷く透明な解析によって

その藍いろの影といっしょに

舞踊の範囲に高めよ」という部分、

こころの奥底に響いてきます。

 

農業作業に限ることなく、です。

大事なことです。 

 

かつて、読んだ宮澤賢治研究の書を、追加アップしておきます。

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東京ブラックホール

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まあ、戦争を知らない世代は自分も含めて見ておいたほうがいい、なかなかの内容でしたよね。

日本陸軍の諜報部員は戦後、戦犯を免れるかわりに、占領政策のG2部門の下働きに使われたとか。

隠匿物資の横流し等、戦前は軍部とうまくやっていた政商が、占領下になると身替りたくましく占領軍にうまく取り入るように変質していく様等も

まあ、戦後秘史に詳しい人だと、まあ驚くに当たらない。

1947年3月の衆議院決算委員会で「日銀の地下倉庫に隠退蔵物資のダイヤモンドがあり、密かに売買されている」と発言。隠退蔵物資事件を暴露している。

世耕機関。

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それでも、これまでのドキュメンタリー手法ではないという意味では意欲的、挑戦的。

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人工知能(AI)を活用したモノクロ映像の カラー化
最新のデジタル技術を駆使した独自のドキュメンタリー


日本が戦争に敗れて得たもの失ったもの。

 気づいたこと、忘れてしまったこと。

 引き継ぐべきもの、引き継がざるべきもの。

 戦争孤児になにもしなかった政府。

 隠匿物資をヤミに流して、のし上がった政商。

それらを、目にしてなお、庶民は生き抜いてきた。

 戦争を知らない世代が如何様に、

かつての軍国主義を裁こうが、訳知顔で語られようが

生き残った、人たちのこれまでの

働きで、

ここまでたどり着いたのだと

 いう軌跡は

否定されるものではない。

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TV番組、bsフジのプライムニュース以外は、自分の場合、

どちらかというと、NHK、見ることのほうが多いかもしれません。

サブカル風な番組もけっこう気に入ってます。

ドキュメント72時間
ダーウィンが来た

『サラメシ』

アスリートの魂

「プロフェッショナル 仕事の流儀」

ブラタモリ

『SWITCH インタビュー 達人達』

『100分de名著』

『 にっぽん縦断 こころ旅』

人気紀行番組「小さな旅」

 

 

 

道すがら振り返る特集番組

まるで、決まり文句でもあるかのように。
賢ぶった報道であるようだけれど、自分にいわせれば偏った新聞報道。

 

首相は 「加害責任」言及せず、などとの首相批判記事。いつものフレーズ。
いいかげんなもの。

軍国主義の復活を懸念するような

こと言っている中国共産党

それと同じようなこと言っている

左翼もどうかとも思うけど、

尊大な

膨れ上がる軍備拡張を

し続けているのは中国であることに

間違いもなく。


賢ぶって論評するマスコミ人よりか、


盛夏の最中、広島、原爆慰霊碑、東京日本武道館での終戦72年戦没者追悼式
に参列の安倍首相の姿みていると、
よっぽど
党派的な支持者でもないのだが、
安倍さんの肩を持ちたい心境でもある。

 

今夏のtv番組・印象に残しているものなどを

ふりかえり、話題にしながら、
夏の休暇、家族でお出かけ。
長時間のドライブ。
まずは、今夏、戦後72年。

というところから、

よかったものをピックアップ。

 

 

坪井さんと一緒にオバマ大統領とお話をされた森重昭(しげあき)さんの活動を
ドキュメンタリーで観させてくれた
「NEXT 未来のために『オバマと会った被爆者』」

それから、
NHKスペシャル樺太地上戦 終戦後7日間の悲劇」


それから、
 異色の外交官・千葉一夫のことを
ドラマ仕立てで再現された、NHKドラマ「返還交渉人」

などのことを。特に印象に残ったものとして推したい。

 

 

目的地に着きました。

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 訪日外国人もみかけます。

 

写真撮りましょうか?を中国語で

言ってみましょう。


「ウォゲイニーバイヂャオバー」


はいチーズ!:「チィエズー」
カメラを手にしたら日本と同じ発音です。


 更にもう一言。
笑って:「シァォイーシア」


別れ際にはぜひこの言葉をおくりましょう。

 

日本を楽しんで!「チンシンシャンリーベン」

 


日本と中国。

その間に横たわる問題は多いとしても、

日本は楽しかったという

訪日客の認識の声を

聞く機会にめぐり合わせたときは

 

 

少なくともそこには

希望らしきものを少し。

オルテガ・ィ・ガセット

大衆の病理を説いた社会学者のオルテガの言説をたまにはひもといてみます。

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彼の著作で、有名なところでは、「大衆の反逆」

このタイトルみて、考え違いを起こしてもらってもこまるのですが、もし、よい大衆が悪い権力を倒すというようなイメージでとらえられたのなら、それは大間違いです。

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真意は愚かなる大衆の充満が慢心することの恐ろしさを警告している書だからです。

現代、読んでも今を皮肉ってるふうな感覚にさせられるところもあります。

 

先人の尊いところを、見失うさまを難破船にたとえて、

ただ漂う大衆にならないようにと、諭されているのが、読み進むうちにわかってきます。

他のおススメの書も含めて。

【関連Myブログ過去記事】遺影の中の愛犬ートトヤン

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パンダに想う

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話題の赤ちゃんパンダは、県内に住んでいながら時間もなくまだ観れていません。

 

 

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しかし、ニュースで知った、パンダ列車のことなら、

ひょっとして撮れるかもしれないとカメラ常備して構えて撮った一枚。

紀勢線黒潮

白浜への、アクセスとしては、そのほかに空路として白浜空港が。

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夏の休暇で戻ってきた子供らにとっては、イルカショーを見に過ごした夏の思い出は遠い遠い記憶の中で、

パンダの話題のほうも彼らに近しいのは白浜ではなくすでに上野動物園にあるようだ。

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まあ、円満にその土地に根を生やしてくれればそれにこしたことはない。

 

帰省してきた家族も、また、あわただしくもどっていく。


四文字熟語。華僑の言葉から学んだ「落地生根」ってのをしみじみ想い浮かべてみる。

 

人道の港 敦賀

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過去の夏に訪れた小旅行先。

中央アルプスとかの山岳コースでもなく、海水浴キャンプ先でもなく、どちらかというとダークツーリズムっぽい行先。

人道の港 敦賀 ムゼウムのほうに行ってみることに。杉原千畝記念館岐阜県八百津町) のほうは、また、機会があればということで、そのときは敦賀に。


資料館で、映像を通して学ぶことも。

カウナス駅で「スギハラ。私たちはあなたを忘れません。もう一度あなたにお会いしますよ」と叫んだかつての青年は、新生イスラエルの参事官となって、杉原氏を探し求め、会いにきたという一コマ。


ニシュリというユダヤ人が、杉原氏を訪ねてきます。ニシュリ氏は、命のビザで助かった6,000人のうちの一人で、28年間杉原氏を探し続け、ようやくその消息をつかんで訪ねてきたのです。

杉原氏に会ったニシュリ氏は、「私を覚えていますか」と問いかけますが、杉原氏は、彼が誰だか分かりません。2,000人ものユダヤ人へのビザを書き続けた杉原氏が、彼のことを覚えていないのも無理はありません。

ニシュリ氏は、涙を流しながら、ぼろぼろになった紙片を取りだし、「あなたは私を忘れてしまったが、私たちは片時たりともあなたのことを忘れたことはありません。28年間、あなたを探し続け、やっと会うことができました」と言って、杉原氏の手を固く握りしめます。

ぼろぼろの紙片は、杉原氏が28年前に、ニシュリ氏に発給したビザだったのです。

 

 

ユダヤ難民の窮状を救った、杉原も偉いもんだと思いましたが、オランダの領事ヤン・ツバルテンディクの勇気ある決断にも。

もし彼の決断がなければ、杉原氏がビザを発給することは不可能だったでしょうから。


それに、大事なのは敦賀の無名の人々の温かい迎え入れと善意にも支えられて、こうしたユダヤ難民の逃避行が滞りなく行われたこと。

これは、記念館の展示資料で知ることになりました。


過去の夏の小旅行を振り返りました。

【関連検索キーワード】キュラソービザ

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