トトヤンの家庭菜園

小旅行、読書、TV番組感想、政治への関心、家庭菜園のブログです。(和歌山県)

五十年目の序章

1980年の殺人事件を警察が捜査するところからの書き出し。身元確認から知り合いの縁を予兆。混乱の時代を生き延びた親世代、背後に蠢めく事情の究明、また作中人物からの視点からも戦後史を眺めさせてくれる。その犯人が戦時中の学生時代のことを回想し始める叙述部分、第二部までは目に見えるような展開もなく、第三部になってようやく犯人の動機探しという謎が浮かんでくるんだけど、いやその構成はどうなん? とか思いながら読み進めていくとラスト第三部で明かされる真相に完全に不意を打たれて愕然。忘れられない作品となる。旧題「十五年目の序章」深谷忠記著

 

被害者は、捜査に当った警視庁捜査一課・堀警部補の友人・高木秀樹の父親の正之と判明。孤独な毎日を送っていた正之がなぜ殺されたのか?やがて一人の男が容疑者として浮かぶが、その男は事件の前年、佐賀で?。あとは読んでのお楽しみ。

 

「愛国心」とか「大空襲」とか、「召集令状」という言葉が報道番組や紙面で躍る毎に、ミステリーと悲恋がないまぜになったこの作品を思い浮かべてしまう。余韻の残る作品。

 

左の「太陽の棘」は読み進めてる途中。

解説の佐藤優氏の書評文に魅せられて手にとる。