ダグ・ハマーショルドの心の日記。
彼自らとの、また神との対話として、
精神的生活や友人関係、人間の弱点や可能性について、
深い思索に裏打ちされた詩がちりばめられています。
「誰でも良い行いをすることはできる。
けれども、良い思いを持つことは、
ごく僅かの者にしか許されない」
彼こそ、真にこの少数者のひとりである。
信仰の薄い日本では、この中で問われている使命とは具体的な自己実現の達成や、本当にやりたいことの発見とその全うに置き換えられるのかもしれない。ただ、私自身を含め、そのようなことを具体的に抱きながら日常を過ごす人はそれほど多くないのかもしれない。そのような人たちにとってこそ、具体的なゴールの無い日常をいかに良く、そして清く過ごすのかと言う意味で、自身を振り返るために有用な一冊になる。自分自身の成功のみしか考えない成功哲学、あまりに楽観的過ぎるポジティブ思考、そして清濁併せ呑むリアリスト的世渡りマニュアルなどが巷にあふれ、同時にもてはやされる昨今だからこそ、意識的に目を向けなければならないことが記されている書。著者が20代から書き留めていた日記。内面的葛藤や孤独と向き合った精神の記録であり、絶対的な存在である神と自己との関係性を問い続けた魂の告白の書である。日常の多忙さに疲れ、「ちょっとまてよ、自分は何がしたくて…今」と、ふと思い始めた人の、正に「道しるべ」となる一冊ではないか。国連事務総長として数々の国際紛争解決に奔走した著者の内面的葛藤・人間の存在と人生の意味について豊かな表現で。ハマーショルドとういう偉大な先達者の内面を。「人は人生において必要な時に必要な人と出会える様になっている。」大勢の人を救おうと一生懸命に働くよりも、一人の人のために自分のすべてを捧げるほうが尊い。周囲の人に支えられ、今日という日を生きている。せめて助けられた分ぐらい、自分も誰かの役に立ちたいと思う。自分の弱いところや駄目なところを隠して格好を付けても意味がない。励ましあっていくこと。あなたが持ち合わせた力に余る強さなど、人生は要求しない。あなたに立て得るただひとつの手柄は、そこから逃げないことだ。彼ハマーショルドの名言。

ダグ・ハマーショルドはスウェーデンのストックホルムで生まれました。若くして経済学と法学を学び、スウェーデン政府の要職を歴任しました。そして、1953年、彼は国連の第2代事務総長に任命されます。その国際政治における類まれなる洞察力と行動力で、すぐに世界中から注目される存在となりました。

彼が国連事務総長の職に就いたのは、ちょうど冷戦の真っただ中でした。彼は中立的な立場を貫き、対立する大国間の橋渡し役として、国際平和のために尽力しました。特に、スエズ危機の際には、国連平和維持軍を創設し、紛争解決に大きな役割を果たしました。彼のこのような行動は、現在の国連の平和維持活動の基礎となっています。ハマーショルドの事務総長としての最後の任務は、コンゴ共和国(現在のコンゴ民主共和国)における動乱でした。彼は、コンゴの独立と安定のために奔走しましたが、1961年、任務遂行中に飛行機事故で亡くなります。彼の死は、多くの人々に衝撃を与え、国連の歴史における大きな損失となりました。ハマーショルドは、1961年にノーベル平和賞を死後受賞しました。これは彼の平和への貢献が、国際社会に広く認められた証です。彼は、国連事務総長として、国際紛争の平和的解決と人道支援に道を切り開き、今日の国連の活動に大きな影響を与え続けています。





