トトヤンの家庭菜園

小旅行、読書、TV番組感想、政治への関心、家庭菜園のブログです。(和歌山県)

F. ニェズナンスキイ

フリ-ドリヒ・ニェズナンスキイ

著者はソ連邦捜査検事・弁護士。亡命作家。

以前に彼の『犯罪の大地』という作品を読んだことがある。

ユダヤソ連人として、25年間、ソ連で捜査検事を担当していただけに、刑事実務・現場場面が実に衝撃的。その描写リアリティにおいては追随者はいない模様。ふふふふ、勝手に断言。ソ連邦は消滅したが、かような独裁=非三権分立国家における刑事司法・公安警察の実を予想する上で、十分な事柄をおさえている。三権分立のない中では、行政・立法を担当する人物への捜査・立件が機能不全に陥る。刑事司法の公正・公平の阻害。問題の所在は共産主義か否かという経済制度もあるけれど、それだけでもない。旧ソ連、酒に麻薬に自殺。自殺率ロシアが今も高いけど、日本も同様に高い傾向にある。

すでに崩壊した今となっては良く知られていることだが、ロシアになっても依然、政府が権力を持ちすぎているのがその閉塞感に繋がっているのか。時代背景は今はどう変化していっているのかはわからないが事件そのものよりも捜査過程のほうが奇妙でグロテスク。さらにその権力自体が腐敗しているため、胸糞悪くなる。そういう意味からも読み応え充分だった。よって、たまたま古本市でまた彼の名前を見つけては『赤い狼』という作品を読み始めている。