
目次を列記しておきます。
小澤征爾ボイコット事件/ 昭和天皇とベルリン・オペラ来日/ 佐藤栄作の日中秘密交渉/ 『ウエストサイド物語』と田中角栄/ 新劇史のなかの三島由紀夫/ 寺山修司と日本語/ 日生劇場解任の前後/ 広告マンたちの戦い/ 『キャッツ』全国を往く/ スカラ座の『マダム・バタフライ』/新劇団の季節/ 中曽根康弘総理の忘れ得ぬ夜
人間は本来、孤独な存在。
「けれど宿命を引き受け、そのなかで懸命に行為することで、そこにこそ尊い自由はある。」と述べる浅利。
浅利慶太さんは、宿命という言葉が好きだったのか。劇作家と演出家という立場での交流のエピソードも特に面白く。
三島は怒って帰ってしまったという。
ある日三島は突然やってきて「浅利を出せ!」と怒鳴り込んできた。
三島は自分の作品を全部書き直してきて天下の三島が
「これで、どうだ」と浅利にそれを突きつけたという。ふきだしてしまいそうなエピソード。
戦後の混乱と左翼演劇全盛期に、劇団四季を創設し、今日の王国を築きあげた浅利慶太。
彼が見てきた時代。昭和のすごい人々の裏面史が記されていました。
劇団をいかに経営して、その文化を根付かせていくかの困難さ。
政治家との親交ひとつ捉えられただけで、権力にすり寄っただのと、あらぬ非難も浴びての出発。面白い。
周囲のどちらを見わたしても、時代が左傾的傾向を欲してもいた時代に、ノーを突きつけて別の道を始めようとするに近かった新基軸な出発。
著書を読んでみて、そこらへんは理解しました。