対話にイエス、暴力にノー」 死去のローマ教皇 ことばを振り返る
世界約14億人のキリスト教カトリック信徒のトップであるフランシスコ・ローマ教皇=本名ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ=が21日、死去した。生前の語録を振り返る。
「貧者のための教会に」
つつましい、貧者のための教会にしたい(2013年3月16日、教皇に選出された3日後、バチカンで報道陣と会見し)
(苦難にある人々に)無関心のグローバリゼーションによって、私たちは嘆き悲しむ能力を失っている(13年7月8日、アフリカなどからの移民・難民を乗せた船が漂着するイタリア最南端ランペドゥーサ島を訪問して)
同性愛者「のけ者にせず、社会に統合を」
神を求める善意の同性愛者を裁くとしたら私はいったい何者か。彼らはのけ者にされずに、社会に統合されなければならない(13年7月29日、ブラジル訪問の帰路、同行記者団に)
教会は負傷者を手当てし、信徒の心を温める力が必要だ。私は教会を野戦病院と見ている(13年9月19日、イエズス会の雑誌インタビューで)
平和の構築には戦争をするよりも勇気が要る。対話にイエスと言い、暴力にノーと言う勇気だ(14年6月8日、ペレス・イスラエル大統領=当時、アッバス・パレスチナ自治政府議長を招いてバチカンの庭園で開いた中東和平祈願の集いで)
戦争に訴えてはいけない。戦争を繰り返してはならない。戦争をやめる時だ(14年7月27日、第一次世界大戦開戦100年を控え、サンピエトロ広場での日曜の祈りの集いで)
二つのコリアがあるのではない。コリアは一つだが、分断されているだけだ(14年8月15日、韓国訪問中、アジアの若者との交流集会で)
「壁は分かち、橋はつなぐ」
人生でできることは橋を造ることと、壁を造ることだ。壁は(人々を)分かち、橋はつなぐ(14年9月4日、バチカンで開かれた世界の若者とのビデオ会話で)
原子力エネルギーは多くのことに役立つが、人間は森羅万象と人類を破壊するために使った。人類はヒロシマ、ナガサキから何も学んでいない(14年11月30日、トルコ訪問の帰路、特別機中で同行記者団に)
1945年8月6日、人類は史上、最も恐ろしい惨事を目撃した。前例のない新しい方法によって、人間の破壊力がどれほどのものかを世界は初めて目の当たりにした(15年1月12日、バチカン駐在の各国外交団との会見で)
今世紀にとてつもない気候変動と、生態系の未曽有の破壊が起き、深刻な結末を招きかねない。(地球温暖化は)主に人間の活動の結果として排出された温室効果ガスの濃度が高まったことによる(15年6月18日、環境問題への対処指針を示した公式文書「回勅」で)
誰であろうと、壁を造ることだけを考え、橋を造ろうとしない人物はキリスト教徒ではない(16年2月18日、メキシコ訪問の帰路、米大統領選の共和党指名争いをリードし、メキシコ国境に壁を建設すると主張したトランプ氏について記者に尋ねられ)
長崎、広島を訪れ
ここは、核兵器が人道的にも環境にも悲劇的な結末をもたらすことの証人だ(19年11月24日、長崎市の爆心地公園で)
戦争のための最新鋭で強力な兵器を製造しながら、平和について話すことなどどうしてできようか(19年11月24日、広島市の平和記念公園で)
我々は国家の聖職者ではないのだから、政治ではなくイエスの言葉を語るべきだ。プーチン大統領の小間使いになるべきではない(22年3月16日、ロシアによるウクライナ侵攻を正当化するロシア正教会トップのキリル総主教に対して)
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