トトヤンの家庭菜園

小旅行、読書、TV番組感想、政治への関心、家庭菜園のブログです。(和歌山県)

ポスト〇〇方丈記

フィリピン・ダバオを訪れ、歓迎を受ける安倍晋三首相の様子を伝えた首相官邸の動画(内閣広報室提供)と振り返る記事。

 

「安倍後」を担う首相は、誰であっても大変に違いないという部分を思い起こさせてくれる。

ましてや、野党は安倍首相と競い合う土台にすら上がっていない。

目を通しているのは2017年の検索記事。

 

 

安倍晋三首相はフィリピン、オーストラリア、インドネシアベトナムを歴訪した。6日間で4カ国、政府専用機に乗ること6回、計約30時間の搭乗で、直線距離にして移動は地球半周以上の2万1000キロ以上の強行軍。いずれも日本との時差は数時間とはいえ、真夏の豪州は軽く30度を超えていた。

 

安倍首相の外遊に何度も同行した政府関係者も「きつかった」というこの外遊に同行取材した。首相の同行取材は約3年ぶり。飛行機で耳鳴りに悩まされ、やっと解消されたかと思ったら、また飛行機。自分が今どこの国にいるのかもよく分からないような錯覚に陥ったこともあったが、目立ったのは各地での安倍首相の熱烈な歓迎ぶりだ。中でも突出していたのは、フィリピン南部のダバオだ。ドゥテルテ大統領の地元である。ダバオ到着は12日の夜だったにも関わらず、沿道に立った市民がわれわれ報道陣(恐らく誰が乗っていたかは分からなかったはず)にまで手を振ってくれた。圧巻は安倍首相が13日に訪れたミンダナオ国際大学だ。残念ながら直接は取材できなかったのだが、首相官邸フェイスブックに掲載された映像をみると、ダバオの人々が日の丸の小旗を振り、絶叫調の声を上げて歓迎していた。選挙運動でもこうはいかない。日本語を学ぶ教室では、キラキラとした顔で日本語を話す学生が安倍首相夫妻と交流する様子が映っている。このフェイスブックの映像の再生回数は130万回を超え、官邸の映像では過去最高を記録したという。ダバオの前に訪れたマニラの映像は18万回、豪州訪問が11万回、インドネシア訪問が17万回、ベトナムハノイでの首相の内外記者会見が9万回であることと比べても、ダバオの映像の再生回数は抜きんでている。

 

帰国後に同行筋に聞いた話だが、ダバオの映像に対しては在日のフィリピン人からも「ダバオを訪問していただき、ありがとうございます」といった感謝の声が寄せられたという。なにしろダバオを訪問した外国首脳は安倍首相が初めてとか。「忘れられた地」に日本の首相が訪れたことは一大行事だったに違いない。

 

もともとダバオは20世紀初頭から本格的に日本人が多く居住した地域だった。市内には日本人墓地もあり、慰霊碑を私費で建立したのはダバオ市長時代のドゥテルテ氏だった。昭恵夫人は今回、この墓地を墓参した。

 

先の大戦では日米間の戦闘で住民も多く巻き込まれた。遺恨を乗り越えてなお親日の土壌があるとはいえ、これだけの歓迎ぶりはなぜか。まさに日本への期待ではないか。

 

安倍首相夫妻はドゥテルテ氏の私邸も訪れ、寝室まで入った。ちなみに安倍首相はシドニーのターンブル豪首相の私邸も訪問。インドネシアでもジョコ大統領が居住するボゴール宮殿を訪れる「邸宅外交」を展開した。邸宅に招くことは、まさに信頼の証といえよう。

 

しかし、単に友好的な訪問だけではない。安倍首相は今回訪れた4カ国全てで、中国が無法な軍備拡張を続ける南シナ海問題での法の支配の重要性を訴え、各国の首脳と問題意識を共有した。トランプ米政権のアジア太平洋地域の関与の重要性も説き、これもまた各首脳から賛同を得た。

 

安倍首相は言葉だけ訴えたわけでもない。南シナ海での対中包囲網に直接つながる、あるいは間接的な効果をにらんだメニューを用意した。フィリピンには今後5年間で1兆円の フィリピンでは政府開発援助(ODA)と民間投資を合わせ今後5年間で1兆円規模の支援を行う考えを表明し、豪州では自衛隊と豪軍との共同訓練などを円滑化させる新協定の妥結を目指すことで一致した。

 

インドネシアでは、中国と対立する離島の開発を含めたインフラ整備のため総額約740億円の円借款供与を発表し、ベトナムでは南シナ海での海上警備能力向上のため新造巡視船6隻の供与を表明した。いずれも訪問先の国が求めていたものだ。こうした協力を確認した後に安倍首相と共同発表に臨んだ各首脳は、みな心からの笑顔という印象だった。

 

世界の首脳で最初に大統領選当選直後のトランプ氏と会談した安倍首相に対し、トランプ氏の人柄などを身を乗り出して聞く首脳もいたという。各首脳は安倍首相を「世界のリーダー」として迎えたに違いない。それもそのはず。これも長く首相を務めているからこそだろう。5年目に突入した安倍首相は、主要7カ国(G7)のトップのうち、ドイツのメルケル首相に次いで2番目に古参となった。毎年のように首相が替わっていたら、こうはいかない。来年も首相でいるかどうかさえ分からない相手と本音の会談はできないだろう。もっとも、外交は笑顔の交流だけでうまくいくはずもない。事実、安倍首相を迎えたマニラでの晩餐会で「日本は兄弟よりも近い友人」と持ち上げたドゥテルテ氏は中国とも接近している。豪州もインドネシアベトナムも経済面を中心に中国とのつながりは深い。したたかな外交の世界では、全て日本の思い通りにいかない。

 

そんなことは安倍首相も百も承知のはず。とはいえ、「米国第一主義」を掲げるトランプ米大統領との会談前に設定した今回の4カ国訪問は、南シナ海問題などで問題意識を共有した地ならしという意味では成功だったに違いない。すると他の心配が出てきた。ほかにこんなことができる首相は日本にはいないのではないか、と。3月の自民党大会で党総裁任期は3期連続9年まで延長される運びだ。現在2期目の安倍首相が来年9月の総裁選に出馬して当選すれば、平成33年9月まで「安倍時代」が続くことになる。しかし、「安倍後」の時代は間違いなく訪れる。

「安倍後」を担う首相は、誰であっても大変に違いない。ましてや、野党は安倍首相と競い合う土台にすら上がっていない。民進党野田佳彦幹事長は1月23日の衆院本会議で行った代表質問で、安倍首相の外交方針「地球儀を俯瞰する外交」をやり玉に挙げ、「『地球儀をポカンと眺める』だけで真に『地球を俯瞰』していなかったのではないか」と批判した。野田氏は今回の4カ国訪問に関しても、こう難癖を付けた。「フィリピンで1兆円に及ぶ協力を約束したと報じられている。首相就任以来の経済支援の表明総額は官民合わせておよそ54兆円に及ぶと聞く。積極的な首脳外交を否定はしないが、こうした経済協力について、どのような理念を持って行い、どのような成果が上がっているか」だが、安倍首相の前に首相を務めたご自身、および民主党政権の外交はどうだったのか。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題で日米関係はこじれ、中国漁船による尖閣諸島(同県石垣市)沖への領海侵入と船長逮捕、そして釈放は外交能力の欠如をあらわにした。野党が政府を批判するのは結構だ。「俯瞰」と「ポカン」を掛け合わせたのは「おやじギャグ」が大好きな野田氏らしい表現だが、犬の遠ぼえにしか聞こえない。ご自身が首相だったときは、さぞや安倍首相を上回る立派な外交を展開したとの自負があるのだろうが、安倍首相にとってみれば「どの口が言うか」と言いたいところだろう。安倍首相の4カ国訪問に関しては、驚くべき記事も出た。1月17日付の東京新聞こちら特報部」に掲載された「安倍首相 比にミサイル供与申し出!?/現地報道 政府は全否定/中国包囲網へ人権そっちのけ」との見出しの記事だ。見出しだけ読むと、安倍首相が人権を無視して中国包囲網を構築しているような印象を与える。人権? 何の人権なのか、との疑問も沸いた。記事を読むと、もっとひどい。ドゥテルテ氏が安倍首相との会談でミサイル供与の申し出を受け、断ったとする現地紙報道を紹介しているのだが、「日本政府は否定しているものの、安倍政権が中国包囲網構築を視野に、軍事面で連携を強めているのは確かだ」と断定している。軍事面での事実無根のことを前提に軍事面での連携強化が「確かだ」と明言する文脈が支離滅裂で、あまりにも強引だ。そもそも日本は米英とミサイルの共同開発は行っているが、他国に供与したことはない。今回の「申し出」が事実なら初めての事例で、確かにニュースだが、記事ではそんな突っ込んだ検証もしていない。菅義偉官房長官をはじめ日本政府は現地紙の報道を明確に否定した。東京新聞の記事もそのことは書いてある。それなのに、なぜか記事は厳しい麻薬取り締まりを行うドゥテルテ氏の人権意識に関する問題にいきなり飛躍する。そのドゥテルテ政権との関係強化を狙う安倍政権に対し、専門家の分析を引用して批判したかと思えば、今度は人権問題から離れ、かねてから安倍政権を批判している元外務省局長の孫崎享氏の言葉として「『対中包囲網』は構築できない」と断定する意味不明の展開だ。何をどうしたらこういう記事になるのだろうか。とにかく安倍首相のやることなすこと何でも批判したいのだろう。どうせ批判するならもうちょっと理屈と筋が通った記事にしたほうがいい。余計なお世話だろうが。(政治部 酒井充)

以上引用

産経記者による東京新聞記者への当て付けだろうか。

東京新聞は常々野党新聞といって良いぐらいの偏りがあると踏んでいる自分からすると、よく、言ってくれましたという思いも。

 

振り返って懐かしく。

しかしながら今は命のはかなさを川面に浮かんでは消えゆくあのうたかたに喩えた鴨長明の心境。コロナ禍で昨日まで元気だった人が今日はあの世へ旅立つ無常の時代。自然災害が頻発し、国外を見れば戦争が勃発

無常観について記された有名な箇所

 

河の水が常に流れているように世の中は刻々と流れていて二度とその一瞬に戻ることはない。重鎮役を失った岸田政権。政権の行く末も同じく、ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらずだ。