トトヤンの家庭菜園

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江藤新平

近代日本の司法制度の礎を形成したと言われる江藤新平

維新当時は、単なる佐賀藩士というだけで役職と呼べるものはなかったが、倒幕運動の中で木戸孝允岩倉具視の知己を得て、江戸幕府の政治制度を徹底的に研究。

三権分立など明治新政府の新しい国家デザインを次々に発案していった。
江藤は日本の裁判制度や組織的な警察機構を整備した。

指名手配写真を導入したのも江藤だった。

しかし、佐賀の役で追われる立場になった時、その警察と手配写真のために捕まることとなった。

この裁判のなかでは江藤が整備したはずの正規の手続きが執られることはなく、最後は司法省時代の部下の判決で、既に禁止されていた斬首刑に処されるという、あまりに皮肉かつ悲劇的な最期を迎えることとなった。

江藤には発言の権限すら与えられなかった。


司法制度を立ち上げた偉大な人でもあるが、悲劇の人でもある。

【放送日時】2021年1月12日(火)

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ミステリー小説の登場人物にも江藤新平が。


昨年話題の時代小説。


刀と傘 明治京洛推理帖[本/雑誌] (ミステリ・フロンティア) / 伊吹亜門/〔著〕

 

 

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5つの事件からなる短編集として構成された、筆者のデビュー作らしい。

相容れない性質の二人が推理を戦わせる場面が見どころで、歴史が苦手という人でも読みやすい。


そういう書評を見て購入に食指を示していたところ、TV番組の知恵泉で、ちょうど、江藤新平が紹介されていたので、奇遇だなと。


ミステリー時代小説のほうは、

 


幕末から明治初期の京が舞台。

江戸から明治へ変換する時代の中で起きるいくつもの事件を、尾張出身の若き武士と初代司法卿が解決へ導いていく時代ミステリー。

推理役として、活躍する、尾張藩士と若き江藤と。

幕末の京都が舞台。
佐幕派倒幕派の両方から命を狙われていた男が
隠れ家で滅多斬りにされていた。
尾張藩士の鹿野師光はこの件で佐賀藩士の江藤新平と知り合う。
江藤は惨殺現場とその周辺、被害者の人間関係
を調べ、事件の謎を鮮やかに解いてみせた。

明治になり、江藤は司法省の改革に動き出す。
自分の右腕として、鹿野師光を探す江藤。

江藤は司法改革に抵抗する京都の弾正台を
つぶすために、密偵を潜入させる。
しかし、密偵は自害。だが江藤はその死に
不信を抱く。その事件で鹿野と再会した江藤。
密偵の死は自殺か?他殺か?

国家転覆をはかり、収監されていた囚人。
その日のうちに処刑される予定だったが
毒殺された。誰が毒を盛ったのか?
動機のあるものは何人かいたが、すぐに
死を迎えるのにわざわざ毒殺するとは?
江藤のその後の推理や、如何に。


その他
江藤新平関連の書としては、

佐木隆三『司法卿江藤新平