ドラマ化もされたという過去の作品も思い浮かべたり。
環境問題に関しても、新聞連載小説『複合汚染』なんかは当時、リアルタイムに読んでもいたなあと。
現在は、北欧のトーンベリ少女がその手の運動家では脚光を浴びていますが。
環境問題にとどまらず、有吉作品の『華岡青洲の妻』なんかは嫁姑、夫婦、家族、
因習の打破、志の絆。
という点からも読みごたえがありました。
その他、『紀ノ川』『海暗』『日本の島々、昔と今』
『有吉佐和子の中国レポート』
作風はオールラウンドプレイヤーという感じで、社会派というだけにとどまらず、もちろん、社会的背景を捉えたうえでの、
どろどろとした、人間の内面に迫った、『恍惚の人』なんかは、
認知症老人とその介護を描いているあたりは、先駆的な人だったなあと。
自分の方はミステリータッチが好みなので、ドラマで関心をかつて抱いた
『悪女について』を再度読み始めようかと。
27人の関係者へのインタビューという形式でひとりの亡くなった女性の虚実を浮かびあがらせていくという作品です。